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11/2 エリカ 【群馬リサーチトリップ②】 碓氷製糸株式会社 工場見学 Erika - Visit to Usui Silk Mill -
エリカの群馬リサーチトリップ2日目の訪問先は安中市の碓氷製糸株式会社です。
             
碓氷製糸株式会社は日本でただ2軒だけ残っている現在も稼働している製糸工場のうちの1つです。
群馬県の山あいの静かな場所にありました。

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まずは一通り繭が生糸になるまでの工程をご説明いただきました。
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農家から工場に届けられた繭はこのベルトコンベヤーに乗って工場の奥へ運ばれます。
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ここで袋から繭を取り出し、床の穴から次の工程の部屋へと落とすことができます。
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こちらの工場では、今はもう廃業してしまった他の製糸場で使われていた袋が保管されていました。
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質の悪い繭を取り除く工程です。

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いよいよ繭から生糸を縒る自動繰糸機のある部屋へ。
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この部屋は繰糸機の稼働する音と、お湯から発生する蒸気が充満していました。

お湯を使って繭糸をやわらげ、機械に取り付けられているイネでできたミゴボウキでこすることで繭糸の始まりを見つけます。
そうして繭糸の始まりが見つかれば、目的の太さに合わせて何個かの繭糸をよって1本の生糸にします。

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これは通常より太めの糸をよる機械。


ちなみに、繭の中に入っていた蚕のさなぎは、ゴミになることはなく魚の養殖の餌などに再利用されます。


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小枠(スプール状のもの)に巻き取られた生糸を整える作業「揚返し」


以上が製糸場で行われる繭から生糸を生産するまでの工程です。

生糸とシルクが別物であることはご存知でしたか?
生糸とは繭糸を何本か集めて1本の糸にしたもの。
シルクとは生糸をさらに精錬(生糸の外周を覆っているセリシンというタンパク質を取り除く)し、光沢を出した糸です。



さまざまな種類の生糸やシルク
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いろいろな品種の蚕
品種によって取れる生糸の性質が変わります。



蚕と人間の歴史は数千年あるだけあって、さすが絹産業は奥が深いです。
アーティストにとっては調べれば調べるほど行きたいところ、話してみたい人が出てくるリサーチトピックです。

これまで群馬のリサーチトリップでは、蚕を卵から育てる養蚕農家と、農家が収穫した繭を生糸へ加工する製糸場を見学しました。

次回はいよいよ日本の近代化の原動力となった富岡製糸場へ向かいます。










by arcus4moriya | 2018-11-02 19:40 | AIR_2018 | Comments(0)
11/1 エリカ 【群馬リサーチトリップ①】 養蚕農家視察 Erika - visit to silkworm farmers in Gunma-
先日の農研機構でのラボという人工的な環境で飼育されている蚕の視察(10/3のブログ)を経て、エリカの関心は伝統的な農法で蚕を飼育している農家へと向かいました。
そこで農研機構の方に群馬の養蚕農家さんをご紹介いただきました。

この日から、養蚕農家、富岡製糸場、現在も稼働している製糸場を巡る2日間の群馬リサーチトリップの始まりです。


まず訪れたのは、何十年も養蚕業に携われているご夫婦の農家さんのお宅です。

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蚕がいなくなったあとの桑です

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黒く見えているのは蚕の糞


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蚕だけを残して桑の葉などを振り落とす機械

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1階で桑を食べる期間を終え、繭を作り始める段階になると2階へ移されます。
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回転蔟(まぶし)を用いた自然上蔟(じょうぞく)法


蚕には上へと上がっていく性質があり、回転する蔟を使用することで、繭が尿などで汚れるのを防ぐことができます。


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養蚕業は家内工業で数十年前は農家は家の中で蚕を飼っていました。
同じ一つ屋根の下に蚕と住み、繭を作る時期になるとできるだけ広いスペースを蚕にとれるように人間は寄せ集まって眠り、蚕たちた繭を作る「さわさわ」という音を子守唄代わりに眠ったとおっしゃっていました。

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ちなみにここでは農研機構で開発されている蛍光グリーンに光る蚕が飼育されています。

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繭の中の蚕が透けているのが分かりますか?
みんなより繭作りが遅れている蚕がいました。


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繭の中では蚕がさなぎになっています。

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玉繭といって、誤って同じ枠に2頭が入ってしまった場合2頭で1つの繭を作る場合があります。
玉繭になるのは全体の2-3%ほど。


通常、繭からは1本(厳密には2本のフィブロインとそれを覆うセリシンから成る)の長い糸(1300m-1500mほど)が取れます。
玉繭になってしまうと2頭がそれぞれ作った2本の糸が絡まってしまいきれいな糸が作れないので、くず繭になります。
ただし、石川県の牛首紬などでは、この珍しい玉繭を使って織物を作っているそうです。


エリカはこの2頭で絡み合った繭を作るという玉繭に感動していました。
具体的な作品のモチーフに使えないかと考えているようです。

















by arcus4moriya | 2018-11-01 14:53 | AIR_2018 | Comments(0)
10/26 イリカ 東京大学地震研究所訪問 Erica - Visit to Tokyo University Earthquake Research Institute
オランダから来たイリカは、自然災害の多い日本では地球の活動がオランダより活発に感じられると考えています。
特に、来日して初めて地震を感じた時は、恐れと同時に興奮も感じたと言っていました。

そこで地球の活動としての地震について研究者の方にお話を伺えればとリサーチしていたところ、近年観測技術の発達によって新たに発見されたスロー地震に関心を抱くようになりました。

通常人間が感じる程度の地震というのは、プレート間に蓄積されたひずみが急激にずれる時に引き起こされます。
対して、スロー地震では、ひずみが限界に達した時に起こるのは同じですが、プレート断層面の特性によりゆっくりと滑ることが特徴です。
数日から数年かけて起こることもあり、揺れを引き起こさないので、人間の体は感じることができませんが、実は大きな地震よりも頻繁に起こっています。

そのスロー地震について詳しいお話を研究者の方にお伺いすべく、東京大学地震研究所の竹尾明子様に取材を申し込みました。
実はアーカスプロジェクトの取材で地震研究所を訪れるのは、昨年のカーティス・タムのリサーチに連続して2度目です。

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イリカは、何かを説明する時に人が使う手のジェスチャーなども作品に取り入れたいと考えているので手の動きを撮影します。

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オフィスでのインタビューを終え続いて研究所内の見学へ。
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自己浮上式海底地震計

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海底でデータを収集し、観測が終了すると船からの音波を受けて自動で浮上します。

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地震研究所の建物の耐震構造について

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歴代の様々な地震計が展示されている展示室へ

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現在はデジタルな観測計が使用されていますが、以前はこういったアナログな機械が使用されていました。

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煤の上を針が削ることで震動が記録されていきます。
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現在でもオープンキャンパスなどの際に昔の機械を作動させるそうで、近年の実際の地震が記録されていました。


イリカにとって今回のインタビューはとても刺激的なものになったようです。
特に地震の波が地球を1周するというスケール感などが印象に残ったようでした。

オープンスタジオで発表する映像にどのように今日の取材を生かすかをイリカは考えています。


by arcus4moriya | 2018-10-26 21:18 | AIR_2018 | Comments(0)
10/23 AIR Bridge - ARCUS Project × 東京藝術大学 Global Art Crossing × TAKASU HOUSE -
今年から始まった新事業、AIR Bridgeのイベントを東京藝術大学取手校舎の藝大食堂で開催しました。

AIR Bridgeとは、設立から25年目を迎えるアーカスプロジェクトの経験と歴史を元に、様々なアーティスト・イン・レジデンス運営団体、またはこれから運営を始めようとしている団体と協働することで、ノウハウを共有し、これからの互いの事業運営の発展に生かすことを目的とする事業です。


AIR Bridge第1回目は、東京藝術大学 Global Art Crossing [中東]との共催に、取手でアーティスト・イン・レジデンスを展開するTAKASU HOUSEを交え3組が登壇するトークイベントとなりました。

イベントタイトルは「アーティストが移動すること - アーティスト・イン・レジデンスという仕組み - 」。

アーカスプロジェクトのレジデンスプログラムではリサーチベースの現代アート分野で活動するアーティストを海外から招聘しています。
Global Art Crossingは東京藝術大学がトルコのミマールシナン大学、アナドール大学、イスラエルのベツァルエル美術デザインアカデミーと交流するプロジェクトで、今年度はアメリカ人ガラスアーティストが来日し、トルコからの学生と藝大の学生向けにガラスのワークショップを行っていました。
TAKASU HOUSEは取手アートプロジェクトの《半農半芸》の活動拠点であり、レジデンスプログラムでは若手の日本人アーティストを招聘しています。

3つの異なる団体に共通しているのはともに「拠点を離れたアーティストが新しい場所で制作し、人々と交流している」ということ。

今回のイベントでは3者の事業を運営担当者がそれぞれ紹介すると共に、招聘アーティスト3名が自身の活動について語りました。
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まずはTAKASU HOUSEの岩間賢さんとアーティストの秋良美有さん


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次にGlobal Art Crossingの藤原信幸先生とアーティストのスティーブン・チェスキーさん

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最後にアーカスプロジェクトから外山有茉とエリカ・セルジ

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それぞれのトークのあとにはQ&Aの時間もあり、会場からはどうすればアーティスト・イン・レジデンスプログラムに応募できるのか、などの質問がありました。
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最後は、藝大食堂様にお食事をご用意いただきまして、美味しいご飯とお酒で交流会の時間もありました。
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今回初めてこの3団体が集ってイベントを開催したことで、同じ茨城県南に位置しながらもこれまで交流のなかった互いの事業のこと、またその性質の違いを知ることができ、主催者にとっても意義のある会となりました。
東京藝術大学で開催したことで、アーティストを志す若い学生さんたちにも、アーティスト・イン・レジデンスという存在を卒業後の進路の可能性の一つとして知ってもらえたのではないかと思います。

手探りで始まった他団体との連携でしたが、今後の交流に繋がっていくであろう手応えを感じることができました。
アーティスト・イン・レジデンスという事業は全国で広まってきていますが、その規模や質はさまざまです。他のレジデンスを知り、横の連携を作ることで互いに切磋琢磨していければと思います。














by arcus4moriya | 2018-10-23 15:42 | AIR_2018 | Comments(0)
10/3 エリカ 農研機構見学 Erika - visit to NARO -
遺伝子組換え蚕についてリサーチしているエリカは、つくばで遺伝子組換え蚕を飼育している農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)に見学へ訪れました。

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農研機構



まずは研究所内の展示室で資料を見せていただきながら研究者の方にお話しを伺います。
お会いしたのは、生物機能利用研究部門、新素材開発ユニットの亀田恒徳さんです。

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特に、エリカが関心を抱いているのはクモの糸の特性を持ったシルクを作ることのできる蚕です。
クモは自然界でもっとも強い糸を作ると言われていますが、共食いしたりするので大量に飼育することが難しく、そのままでは製品化には向いていません。
そこで遺伝子組換え技術によって蚕にクモの糸の強さを持つシルクを作らせることで、大量生産が可能になります。

蚕は成長周期が短く、かつ飼育にかかるスペースが小さいので、人間が必要としている成分などを大量に培養するのに向いているそうです。
また、蚕を遺伝子組換え技術の開発に使用する利点には他にも、蚕は人間により完全に家畜化された生物なので自然界では生きることができず、他種と交配して環境に影響を与えるリスクが少ないなどの理由があります。
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生体安全性が高く、皮膚の再生治療や手術での使用など医療用のシルクの開発も進んでいます。

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ブラックライトに当たると蛍光に光るタンパク質を含んだ遺伝子組換えシルク


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2人の話は、未来の宇宙での蚕の利用の可能性などにも拡がっていきました。


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農研機構にも繭から生糸を生成し、絹糸、織物にするまでの機械が揃っています。
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研究所のシルクで作った試作品です。



実際に今繭を作り始めている遺伝子組換え蚕を見学することができました。
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約20000匹の蚕たちが糸を吐き出している「さわさわ」という音が部屋中に響いていました。
今までニュースなどで読むだけだった遺伝子組換えという先進的な、ほとんど抽象概念でさえあった事象が、ここでは音という実態を持って迫ってきました。
そこには理論ではなく、科学者、飼育に携わるスタッフと小さな生き物とのケアの関係が物理的な空間に展開しています。
養蚕業は遥か紀元前2000-3000年頃に中国大陸で始まったと言われ、それ以来品種改良を重ねた蚕はより長い糸を生産するようになり、その過程で人間に完全に依存する家畜生物になりました。
餌となる桑を自分で見つけることもできず、成虫し蛾となった後は羽はあっても飛ぶ能力もありません。
シルクという素材がいかに人間の歴史と生活の中で重要な役割を果たしているかを考えると人間もまた蚕に依存していると言えるでしょう。

エリカが今日のために用意していた質問には以下のようなものもありました。

"A scholar and theorist of science and technology, Donna Haraway, talks about sympoiesis and the entanglement of humans and nonhuman organisms, evident on the microbiological level. She calls for a an urgent reexamination of what it means to be human.
With GMO silk being incorporated into the human body / dermatologically fused onto the human body, humans and silkworms are intersecting on a genetic level. What are your thoughts about this?"
「ダナ・ハラウェイが人間と人間以外の生物の微生物学的なレベルに見られるもつれ合いとシンポイエーシスについて語っています。ハラウェイは人間である/人間として存在するとは何を意味するのかを再検討することの必要性を呼びかけています。遺伝子組換え蚕のシルクが人間の体に取り入れられ/皮膚科学的に融合されることは、人間と蚕が遺伝学的な面で交差することを表しています。この状況に関してどう思いますか?」
(遺伝子組換え技術では他の生物の遺伝子を蚕に組み合わせているのではなく、ある必要なタンパク質を組み合わせています。)

人間が地球全体の環境に多大な影響力を持つ時代にあって、「自然をコントロールする理性的な人間」という主体を解体し、人間と他の生物/非生物との相互依存/互恵関係を見つめることで、いかに彼らとよく生き/死ぬかということを想像することが求められています。

人間の体がシルクという素材(蚕)をどのように受け入れるのか(accept)というエリカの関心に対して、亀田さんは、研究では「受け入れる(accept)」という言葉ではなく、人間の体が「無視することができる(negligible)」という言葉で表現していると言われていたのが印象的でした。

「無視することができて」かつ共に存在するとはどのようなあり方なのでしょうか。

数千年に渡る人間と蚕との相互依存関係は遺伝子組換えや再生医療というテクノロジーを介して更なる段階へと進み始めています。
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この日見学は4時間にも渡り、亀田さん始め農研機構の方々のおかげでエリカは大変充実した時間を過ごすことができました。
ついに叶った遺伝子組換え蚕との邂逅は、大きなインスピレーション源になったようで、帰りの車の中では、これからのプロジェクトの進め方を興奮気味に話していました。

これからどのようにリサーチが展開していくのでしょうか。

エリカのリサーチを構成する重要な思想家にダナ・ハラウェイがいます。
彼女は80年代に発表した「サイボーグ宣言」で知られていましたが、近年は人間と動物や、バクテリアなどの有機物、無機物との関係性を再考する思想を精力的に発表しています。
特に2016年に出版された最新の著作『Staying with the Trouble: Making Kin in the Chthulucene』がエリカの活動を考える上で重要ですが、まだ日本語訳が出版されていません。
それ以前の著作『犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』でもハラウェイの人間と動物とのオルタナティブな関係性についての思想に触れることができます。
もしくは『現代思想 2017年12月号人新世 ―地質年代が示す人類と地球の未来―』では最近の論文の邦訳が掲載されているので、エリカのリサーチに興味を持たれた方はぜひチェックしてみてください。


by arcus4moriya | 2018-10-03 16:29 | AIR_2018 | Comments(0)
9/16 イリカ 合気道体験 Erica - Aikido Trial Lesson -
イリカは地球の活動と人間の体との目に見えない関係をリサーチしているのですが、来日前より合気道に関心を持っていました。

そこで、守谷にあるつくば合気道会の守谷鈴木道場へ体験へ伺うことになりました。

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まずは挨拶から

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丁寧に合気道の基本の型を教えていただきます

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投げと受け身の練習

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相手との手の組み合わせ方、また回転する動きが多いことが印象に残ったようです。
敵を倒すのではなく、敵のエネルギーを転換するといった考え方にも共鳴するところがあるようでした。

約1時間の練習を終えたイリカは今後道場へ通うことを検討しています。

この体験がどのように制作に生かされていくのでしょうか。


by arcus4moriya | 2018-09-16 16:20 | AIR_2018 | Comments(0)
9/15 エリカ 遺伝子組換え蚕についてミーティング Erika - Meeting about genetically modified silkworms -
アメリカから来たアーティスト、エリカ・セルジは遺伝子組換え蚕について調べています。

特に、自然界で最も強いというクモの糸を作ることのできる蚕に興味があるのですが、彼女の関心の発端はアメリカでクレイグ・バイオクラフト・ラボラトリーズ社 (Kraig Biocraft Laboratories, Inc.) が防弾機能のあるスパイダーシルクを開発しているという情報を知ったことに始まります。


アーカスプロジェクトでの彼女のプロポーザルは、日本で遺伝子組換え蚕を開発している研究所を訪問すること、日本で開発されている遺伝子組換え蚕はどのような用途を目的にしているのか、また、日本の近代化を担った絹産業の歴史とその文化などについて調べることです。

訪問先としては、遺伝子組換え蚕を開発しているつくばの研究所や、富岡製糸場などを予定しています。

さて、アーカスプロジェクトでは毎月市内広報紙『広報もりや』でアーティストの活動などを紹介しているのですが、その記事を読んでエリカが遺伝子組換え蚕についてリサーチしていることを知った守谷の方がご自身の知っている情報を提供しにスタジオまでおいでくださいました。

蚕から医療用に抗体を生成する研究などを行っている製薬会社にお勤めされています。

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まだ彼女のリサーチは始まったばかりですがどのように展開していくのかこれから楽しみです。



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エリカのスタジオの黒板

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エリカがアメリカから持参しスタジオに飾っている作品


by arcus4moriya | 2018-09-15 18:08 | AIR_2018 | Comments(0)
8/31 オープニングレセプション
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アーカススタジオよりこんにちは。

来日してからあっという間に1ヶ月が過ぎました。その間、地震や台風など、自然災害にも見舞われ
落ち着かないひと月だったように感じます。災害に遭われた地域の皆様へ心よりお見舞い申し上げます。

これをアップしている今はすでに10月。実は9月末には更新予定でしたが、予定通りにいかないのはレジデンスが始まった証拠ですね。
また今週台風25号が来るらしいのですが、季節もだんだん涼しく秋らしくなってきました。
アーティストたちはそれぞれにリサーチを進めています。
ここで8月末に開催されたアーティスト歓迎オープニングレセプションの様子を。
写真は加藤甫さんです。


この日は夕刻から激しい雨に見舞われましたが、多くのお客様にお越しいただきました。来賓の皆様にもスピーチをいただき、今年度のアーカスプロジェクト2018いばらき アーティスト・イン・レジデンスプログラムのスタートです。
まずはアーカスプロジェクト実行委員会会長の大井川知事からご挨拶。
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副会長の守谷市・松丸市長よりご挨拶。
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そして今年度のレジデントアーティストの紹介です。トルコ出身・オランダで活動しているジハドから。そしてアメリカから来日したエリカ、オランダより来日したイリカとご挨拶させていただきました。
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ジハド・ジャネルは28歳。トルコ出身ですが現在オランダのロッテルダムを拠点に活動しています。
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こちらがアメリカから来たリカ・セルジです。遺伝子組み換え蚕について調査したいとやってきました。
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こちらはオランダから来た(オランダ語読みで)リカ・ファン・ローンです。彼女は地球の動きについて調査します。なにやら壮大なイメージですが、みなさん、3人の名前覚えてくださいね。
そして、当日はお越しいただくことができなかったのですが、今年度ゲストキュレーターの金澤韻さんもご紹介させていただきました。
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次に来賓の小川県議からのご挨拶もいただきました。
今年は多くの協賛企業・団体様にもご参席いただきました。
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アドヴァイザーであり森美術館・館長の南條さんからいただいたお言葉からは、アーカスプロジェクトOBの作家のひとりである1996年度招聘の日本人アーティスト・山出淳也さんのご活躍が話題になりました。
山出さんといえば、いま別府でアニシュ・カプーアin別府 を展開されています。守谷から世界的に活躍するアーティストを輩出しているという実績を活かし、その成果を、スタジオからもどんどん発信していきたいと思いました。
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乾杯は守谷市議会の梅木議長の呼びかけで。
トルコ語で "şerefe!(シェレフェ)!" 、アメリカの"Cheers!"、オランダの"Proost!!(プロースト)"、そして日本語で"KANPAI!(乾杯)"
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しばしご歓談を。
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今年は今年度のレジデントアーティストの紹介のほか、過去招聘アーティストの活動記録の映像などもご覧頂きました。
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展示ブースには今年度ご協賛いただいた企業様のご紹介もさせていただきました。公式ホームページにも今年度事業を間も無く更新します。その前に
本ブログでもこの事業を支えてくださっている協賛企業様はじめ、諸団体をこの場でご紹介させていただきます。
後援:国際交流基金、オランダ王国大使館

などなど、まだここには書ききれないほど、多くの方々や協力団体様に支えられて毎年運営させていただいております。
皆様の支援のおかげです。ありがとうございます。
アーカスプロジェクトでは、企業・団体様のみならず事業期間中はいつでも、アーカスプロジェクトの活動にご賛同いただけるよう、個人様から(1口1000円)募らせていただいております。詳しくはこちらをどうぞ。
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今年の春に完成した2012-16年度の活動記録集も閲覧いただきました。また歴代の招聘アーティストの協力により作成したポストカードもお披露目。これはほんの一部です。
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そしてフードはハンス・ホールベック様とカフェドラパン様にお願いしました。ハンスさんは言わずと知れた守谷で有名なドイツ料理のデリカ・テッセン、カフェドラパンさんはパスタやワッフルなどが美味しい人気のカフェです。テーブルコーディネーションはアーカスサポーターさんにお願いしました。
ありがとうございます!
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茄子ミートソース ファルファーレで
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クラッカーに (エビとホタテソテー・ピクルスと玉子・ホタテ、ブロッコリー、じゃが芋、ジェノベーゼ、カマンベールチーズ 黒胡椒・たらこじゃがマッシュ・リコッタ アプリコット コンフィチュール・ズワイ蟹とフルーツトマト・ツナ 玉ネギ ケッパー)を添えて。
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ピンチョス (フリッタータ・アンチョビポテト・クリームチーズとプロシュートとトマト)

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夏野菜とハニーマスタードチキンのサラダ
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ハンス・ホールベックのアウフシュニット。
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そしてお飲み物は守谷が誇るアサヒビール株式会社様。
ご来場ただいた、普段からお世話になっている市民サークルの皆様やアート団体、そして大使館関係者やサポーターの皆様には、これまでのアーカスプロジェクトの活動もご紹介しました。ソンミン・アンの「be true to your school」に見入る方も。
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宴もたけなわとなってまいりましたが今回守谷へお越しいただいた知事に改めてご挨拶をするレジデントたち。
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海外からお越しいただいたお客様も。レセプションを機に更に交流を深めていただきます。
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実は今回、昨年オランダにスタッフが派遣された時に訪問した、Fifth Season/Beautiful Distress のディレクターのエスターさんが来日中ということで、レセプションにもお越しいただくことができました。
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南條さんとも記念に。
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新聞社のインタビューに答えるアーティスト。通訳の池田さん、ありがとうございます。後日、茨城新聞さんにもご紹介いただきました。
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以上、ざっとダイジェストでお送りしましたが最後に。
今回、茨城県庁職員および守谷市生涯学習課職員の皆さんと全パーティーの準備をしました。またサポーターの皆様にもお手伝いいただきました。
悪天候のなかお越しいただいたサポーターの皆様、ありがとうございました。
今年度のAIRプログラムをどうぞ宜しくお願いいたします。オープンスタジオは11月21日〜25日の5日間です!
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by arcus4moriya | 2018-08-31 00:03 | AIR_2018 | Comments(0)
2018年度のアーティスト・イン・レジデンスプログラム始動!8/24来日から8/29市長表敬まで
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                                       (写真・加藤甫)
皆様こんにちは、コーディネーターの石井です。
今年度のアーティスト・イン・レジデンス(以下AIR)プログラムが8月24日からスタートしました。
今年は85カ国・地域から665件の応募がありました。今年度はじめて年齢制限を公募条件に追加したためか昨年度の過去最多数記録の717件よりは減ったものの、それでも想定外の650件以上の応募があり、ゲストキュレーターの金澤韻さんと実行委員会、アドヴァイザーとの厳正なる審査の結果、3名が選出されました。
上の写真の左から、
イリカ・ファン・ローン[オランダ]、エリカ・セルジ[米国]、ジハド・ジャネル[トルコ]の3名です。
今年もたくさんの応募があり、ユニットやグループ、またロシアやアメリカの応募も多く、表現の多様性の変化にも新しい発見がありました。選出理由についてはホームページのゲストキュレーターのコメントをごらんください。
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台風20号の到来とともに、8月24日に無事来日した彼ら。
まずは食料と生活用品の調達に近くのスーパーへ。日用品も食品も日本語表記の多い(=英語表記の少ない)日本。1コーディネーターに1アーティストがついて時短で買い物を済ませます。
「アレッポの石鹸」がシリア製とトルコ製のがある!と盛り上がる一コマ。ジャーナリストだったジハドが発見しました。些細なことですが、生活用具ひとつ買うにも、リモコンひとつ使うにも、電化製品や商品に英字表記の少ない日本で生活するには確認しながら購入したり試す、といったアシストが必要です。毎度の曜日ごとに分けられているゴミ袋の分別もしかり。です。赤はBurnable(可燃), 青はUnburnable(不燃), 緑はRecyclie Plastics, PETbottles, Cans, Bottlesと区分けがいっぱい。(それが海外からきた彼らには一番の衝撃らしいです)
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生活環境も整え、さっそく翌週から怒涛の公式行事に臨みました。
最初にゲストキュレーターの金澤韻さんとの初対面。
8月28日(火)、まだ少しだけぎこちない感じの3人がそろい、それぞれのこれまでの活動をプレゼンしました。
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お互いの作品を知ったプレゼンのあと、各スタジオにて金澤さんと面談。そうそう、アーカスでのレジデンスが始まると必ずおこなう選択に自転車選びとスタジオ選びがあります。アーティストたちはプロポーザルと来日してからの計画を丹念に金澤さんやスタッフらと共有します。そこからどう進めていくか、アドヴァイスを受けます。
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今年は金澤さんをゲストキュレーターに迎えて(プレ事業を含む1994年度から数えて)25年目のレジデンスプログラムです。11月21日〜25日に開催予定のオープンスタジオまで、その経過や成果をお楽しみに!

そして。生活面のサポートでは、こちらも毎年恒例のオリエンテーション。
守谷市役所の国際交流員ルイーザさん(写真右)と、茨城県国際課職員のグロリア・チェンさんに茨城県での生活や日本では必ずある自然災害に関する情報、防災についてのオリエンテーションを行ってもらい、もしもに備える様々な情報を提供していただきました。もちろん、茨城県の観光情報や特産、地域的な特徴も知ることができます。
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8月29日(水)にはこの110日間、滞在先としてお世話になる守谷市の松丸市長に表敬訪問。アーティストたちはアーカスの宣伝ブースがあることを発見し、記念撮影。
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自己紹介のほか、それぞれの出身国についての質疑応答や、守谷で実施したいプロジェクトについて様々な対話がなされました。市長からは守谷でいろいろな体験をし、吸収して活動していってください、と励ましのお言葉をいただきました。アーティストたちはそれぞれにリサーチを進めます。どこかで出会ったらぜひ、声をかけてみてください。

....こうして、来日後からあっという間の1週間が過ぎて行きました。

公にお披露目となるオープニングレセプションは8月31日(金)にログハウスで開催されました。その際にはアドヴァイザーの南條さんともご対面。
ちょっと最初の報告がまた長くなってきましたので、その様子はまた次のブログでお知らせします!皆様、3人を宜しくお願いいたします。
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by arcus4moriya | 2018-08-28 14:25 | AIR_2018 | Comments(0)


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