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「脱・こども!実践油絵研究所」@北守谷児童センター
みなさん、こんにちは。藤本です。あっという間の3月中旬、春の訪れが待ち遠しいですね。
アーカスプロジェクトでは、3/15(土)・16(日)に、恒例の児童館ワークショップシリーズを開催しました。守谷市内2カ所の児童センターにアーティストとともにアーカスプロジェクトが出張する、というプログラムです。
今年度のタイトルは、「脱・こども!実践油絵研究所」ー小さな油絵を描こうー  です。
対象は小学生、定員は10名のみ。

アーティストの柴田七美さんを講師にお招きして、小学1〜6年生が初めての油絵に挑戦しました。
内容の説明からスタートです。“立体感”や“遠近法”、“一点透視図法”など、小学生のみんなには少し難しい言葉が登場しますが、手元の資料を見ながら真剣に聞いています。
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今回は、ルネ・マグリットの「リスニング・ルーム」(盗聴の部屋)という作品から発想を得たプログラムです。
一点透視図法で描かれた部屋の中に、立体的に描かれたリンゴが鎮座している作品です。
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本日、みんなに描いてもらうモチーフはこちら。
白い画用紙に置かれた、発泡スチロール製の白い球体です。これは、大人にとっても難易度の高いモチーフだと思います。
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そして、使う絵の具は白と黒の2色のみです。
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つまり、今回のめあてが、一点透視図法の習得と立体表現に特化しているということ。大人サイドは「少し硬派すぎるかもしれない…。」と心配していましたが、子どもたちはその予想を裏切り、興味津々なご様子。
柴田さんの油絵の具の使い方説明と、デモンストレーションに釘付けです。
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アウトラインから描き始める子もいれば、
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内側から描く子もいれば、
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モチーフの白さを大切に描く子。様々な異なる視点がみえてきます。
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彼は小学3年生です。うまい!
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みんな油絵の具も初めてですが、小学校で使う水彩絵の具用のパレットとはずいぶん違うパレットが新鮮みたいです。でも、うまく使いこなせています。素晴らしい。
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最後に全員の作品を並べての講評会です。
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驚くほど立派な作品が出来上がった、初めての油絵体験となりました。

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人は2時間でこんなにも成長できるものなのか、と感動しました。
子どもだから、でしょうか?

今回講師としてお招きした柴田七美さんはペインターです。自分の表現に合わせてメディアを変えるのではなく、“絵”にこだわり、絵画の可能性を貪欲に追求し続けているプロフェッショナルです。これまでの制作活動において、ワークショップもほとんど実施していません。なぜ、そんな彼女を〈児童館ワークショップシリーズ〉で招いたかというと…
タイトルの「脱・こども!実践油絵研究所」に関係があります。

子どもの自由な表現は大人の私たちにとっては、非常に興味深く、ある面では憧れもあります。もう戻れませんから。そんな子どもならではの感性に、技術が加わると一体何が起こるだろう、そんなところから計画が始まりました。
子どもたちが自分の知っている範囲の技術と知識でものをつくるのではなく、自分の知らない新しい技法を習得することで表現の幅をぐんと広げ、ステップアップを実感してもらいたい。アートの中にも勉強とよく似た“学び”が存在すること、その勉強を必死に頑張ったプロが存在することを知ってほしい。知ると、今までと違ったものの見方が生まれて、新しい価値観が誕生する。
大人にとって難しいことを、子どもが苦労しつつも楽しみながらやってみる。〈子ども〉という枠組みを取っ払って、素晴らしい作品をつくること。
子どもが作った作品なら、全て許容されうる世の中で、そうではない可能性を探ってみたかったのです。
今回、参加者はその期待に応えてくれましたが、これで終わってしまうとおもしろくない。


「作品をつくるのは本当はとっても難しい。でも難しいからおもしろい。おもしろいから続けてしまう。」
これからもアートの存在意義をみんなで一緒に考え続けたいです。

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by arcus4moriya | 2014-03-15 23:30 | ART Education
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